テクノロジーライターの大谷和利さんは、実際に3Dプリンタやレーザーカッターを利用した作品づくりを記事にするなど、手を動かして考えることを得意としています。母校の同窓会の演出にも自ら関わったとのことで、そのときに活躍したのがOmoidoriでした。写真のデジタル化によって実現した母校の「今昔写真」は、旧来の同窓生に驚きと感動を呼びました。その舞台裏をご紹介します。
「今年は、ちょうど母校の都立戸山高校が、前身の府立四中時代から数えて創立130周年。しかも昭和52年卒の僕たちが両校合同の懇親総会(同窓会)の幹事年にあたっていたんです。大きな節目の年ですし、意義があって想い出にも残るような出し物を用意しようということになりました。今では、自分たちが学んだ校舎も建て替えられて近代的になり、昔の面影はありません。それ以前にも移転や戦争による立て直しなどを経てきているので、その変遷がわかるコンテンツを新旧の写真比較で作れたら、世代を超えて喜んでもらえると思いました。」
大谷さんは早速、同窓会誌のバックナンバーに掲載されている古い写真や敷地の見取り図をOmoidoriでデジタル化。その古い写真と同じ場所、同じ構図で撮影した「今」の写真を並べることで「今昔写真」が出来上がります。まったく同じ場所でも、時を経てビルが建ったり人々の服装に変化があったりと、写真から時代の移り変わりを感じられるのが魅力です。
さらに今昔写真を一段と楽しむ、デジタルならではのアイデアも。
「Apple純正の編集ツールiBooks AuthorとソフトウェアパーツBookryを組み合わせれば、新旧の写真をスライドバーで切り替えられるデジタルブックが簡単に出来上がります。もちろん、Omoidoriで取り込んだ写真は解像度も十分でした。」
古いネガからのイメージも加えて完成したデジタルブックは、iPhoneやiPad、Mac上でスムーズに読み進めることができるので、同窓会でも大活躍したそうです。
本業の合間にまとめたコンテンツの制作期間は、約半年。しかし時間がかかったのは、スキャン作業やデジタルブック制作のせいだけではなかったようです。
「古い写真の整理というのは、ついつい見入ってしまったり、それに付随する記事を読んでしまってなかなか作業が進まなかったりするのです。自分の知らない母校の歴史に驚いたり、忘れていた想い出を呼び戻せたりして、そこがまた楽しくもありました。高齢の先輩方でもOmoidoriなら簡単に使えると思うので、ぜひ古い写真の見直しをおすすめしたいです。」
「今昔写真の演出は、同窓会当日も今までにない出し物としてとても好評でした。その反応は卒業年によっても異なり、先輩方は「懐かしい!」という声とともに、今ではすっかりモダンになった新キャンパスの様子に驚かれていました。逆に建て替え後の校舎しか知らない若い後輩たちは、同じ場所の風景が大きく変わっていった歴史に感銘を受けていた様子でした。」
まさに写真の持つ力によって、世代を超えた想いが共有されていく瞬間だったのではないでしょうか。今昔写真のアイデアは、同窓会だけでなく家族や友人とも楽しめそうです。Omoidoriとともに、あなたも想い出を再発見する旅に出かけてみませんか。
最後に、大谷さんは同窓会準備や帰省でOmoidoriを持ち歩く際、収納ケースが必需品だったそう。なんと大谷さんが愛用していたのは、航空会社で配られたアメニティポーチ!Omoidoriの専用ケースもおすすめです。
お話を伺った人
大谷和利さん
Macintoshの黎明期からアップルの動向や、その後のデジタルカメラ、電子ガジェットの流れを書き続けてきたフリーランスライターで、アシストオン東京の取締役。写真にも造詣が深く、ユニークなフィルムカメラや自転車を多数コレクション。
大谷和利さんの「想い撮り」
昔、ウィーンの子どもたちを撮った1枚です。厚みを感じるドライインクプリンタの印刷が好きでしたが、販売終了後は、当時のプリントをOmidoriで再撮して楽しんでいます。